土佐放浪記 山内神社

土佐放浪記⑥は山内神社です。高知城から徒歩圏内にある住宅地の中にあるので探すのに一苦労しました。

山内容堂公と言えば、「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」と自らを称し、酒と詩をこよなく愛し、そして、歴史的な大偉業である大政奉還の建白を推進した人物として非常に有名です。

容堂公が最後まで幕府を擁護し続けたのは、山内家自体が土佐に加増・移封した際、徳川家に多大な恩を蒙っていた経緯があることもさることながら、容堂自らの藩主就任問題に際して、幕府によって温情策が取られたことが、大きな原因の一つであったと思われます。

幕府の崩壊は、大名の時代の終焉に繋がるということを、賢明な容堂であれば、予測していたのではないでしょうか。

幕府の否定は、自らの大名階級の否定にも繋がると容堂公自身は考えており、彼が最後まで幕府を擁護し続けたのには、こういう要素も大きく影響を与えたものと私は感じてならないのです。

明治後の容堂公が、官職には就きながらも、ほとんど政治に積極的に参画することもなく、周囲の諫止をも聞かず、放蕩三昧の日々を過ごしたのは、彼なりの時代へのささやかな抵抗であったのかもしれません。

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